教員から民間企業に転職する方法|転職活動の流れとコツを一から解説
転職って何をすればいいんだろう?
このような先生の疑問にお答えします。
「教員の転職は難しい」
「教員は転職できない」
そんなふうに思っていませんか。
確かに教員の転職は甘くはありません。
しかし、教員から転職に成功している方がたくさんいるのも事実です。
筆者自身も元小学校教員ですが、フリースクールの講師に転職できました。
教員からエンジニアや事務職、営業職など、異なる仕事に転職した方もいます。
でもそれは、たまたま運が良かっただけじゃないの?
何か特別なスキルがあったのでは?
実は教員から転職できた方はあなたと同じで、教員の経験しかない、かつ特別なスキルも資格もない、ごく一般的な先生たちです。
筆者自身、転職してみて感じたのは「教員」=「転職できないわけではない」ということ。
教員には教員なりの転職攻略法があり、ポイントをおさえて転職活動を進めれば転職は決して不可能ではありません。
「教員」という肩書きを理由に転職をためらう必要はないのです。
この記事では、「教員から転職できる理由」と筆者が実践した「教員が数年しかなくても転職できた方法」を具体的にまとめました。
この記事を読めば、転職できる理由が分かり、安心して転職活動への一歩を踏み出せるはずです。
ぜひ参考にしてくださいね!
教員から転職できる理由
かつては教員になったら定年まで教員として働くのが一般的でした。
しかし、状況は大きく変わってきています。
なぜ「教員も転職できる」と言えるのでしょうか?
ここでは理由を3つまとめました。
定年以外で教員を退職する人は増えている
1つ目の理由は、実際に定年以外で教員を退職する人がいるからです。
文科省の調査結果は以下のとおり。
年度 | 退職者数 |
---|---|
平成27年度 | 1万1241人 |
平成30年度 | 1万2024人 |
令和3年度 | 1万2652人 |
上記の調査結果から、毎年1万人以上が退職していることがわかります。
退職する理由は人それぞれですが、中でも「転職」を理由に退職する方は多いです。
転職を理由に退職した教員の数
年度 | 小・中・高校教員の退職者数 |
---|---|
平成27年度 | 3,097人 |
平成30年度 | 3,491人 |
令和3年度 | 4,000人 |
この事実だけでも、「教員でも転職できる」ということが納得できるのではないでしょうか。
人手不足はさらに進む
2つ目の理由は、人手不足です。
2030年には日本の労働人口は644万人足りなくなると言われています。
特に不足すると言われているのは、以下の3つの業界です。
1:サービス
2:医療・福祉
3:卸売・小売(流通)
教育現場も人手不足が指摘されている通り、他の業界でも同じように働く人を求めているのです。
つまり、教員の経験しかなくても、積極採用に踏み切る企業は増えている、といえます。
賃上げ・労働環境の改善に踏み切る企業が増えている
教員から転職する際のデメリットとしてよく挙げられるのが「年収ダウン」です。
しかし、dodaの調査によると、物価高の影響から賃上げに踏み切る企業が増えているそうです。
基本給や賞与の見直しなどが行われているため、教員から転職しても、
・年収が変わらない
・年収アップ
といった好条件の求人に出会えるかもしれません。
また、業務効率化や残業の抑制など、労働環境の改善も積極的に行われています。
教員を辞めたい……
と思う理由は人それぞれですが、きっと「働き方」に疑問や不安を感じている先生は多いと思います。
転職すると労働環境がガラッと改善する可能性が高いでしょう。
筆者自身も転職して納得のいく働き方ができるようになりました
教員から民間企業への転職ってどうすればいいの?
転職活動は大きく分けて6つのステップがあります。
こんなにやることがるのか……
と思ったかもしれません。
ただ、よく考えてみると、教員採用試験の流れと似ていませんか。
書類作成して、応募して、面接……
元教員も上記の流れをクリアして転職していますので、当記事で紹介する順序通りに進めていけば、あなたも転職できるはずです。
STEP1:転職準備
教員の転職は民間企業からの転職とは事情が異なります。
転職活動がスムーズにいくかどうかは、準備次第といっても過言ではありません。
教員が転職活動を始める前に準備として、以下のポイントを押さえておきましょう。
教員向け転職活動の準備
・転職先に求める希望条件を整理する
・転職時期を考えて計画を立てる
・これまでの教員の経験を書き出して自己分析する
なんだかめんどくさそだな
と感じるかもしれませんが、「転職して良かった」と納得のいく転職をするためには、結構重要なんです。
授業で例えるなら、導入部分です。
授業がうまくいくかどうかは、授業の導入にかかっている、といって過言ではありませんよね。
ただ、働きながら一人で準備するのは大変だと思います。
筆者がやったことは下記にまとめていますので、ご覧いただくと迷わず準備できるはずです!
STEP2:応募書類を作成する
教員が転職する上で最初の関門となるのが、書類選考の通過です。
書類でクリアできないことには、面接に進めません。
特別なスキルや実績がある方は別として、平均的な書類選考通過率は30%と言われています。
もちろん応募する業界や経験の有無などによって通過率は大きく異なりますが、10社応募して3社通過するイメージですね。
そんなに低いのか……
書類を作成する手間を考えると、通過できる書類を作ることが大切です。
応募書類の選考率を高めるためには、以下のポイントを押さえて作成してみてください。
書類作成のポイント
・履歴書の内容は正確に記載する
・選考要素を意識した証明写真を使う
・企業が求める人物像にマッチする強みを書く
ただし、書類作成のポイントは上記が全てではありません。
ここで全てをお伝えすると一冊の本ができてしまうので、下記にまとめました。
STEP3:求人探し・応募
教員から転職する人がいると言っても、企業から転職する人に比べると数は少なめです。
そのため、教員向けの求人も少なく、仕事探しに時間を要します。
えぇ、そんな時間ないんだけど……
特に在職中の転職となると、求人探しに充てる時間はかなり限られてしまいますよね。
そこで教員が効率よく仕事を探す方法をまとめました。
どれがいいんだろう?
とお悩みの先生は、無料で使える転職サイトがおすすめです。
希望条件や経歴を登録しておくと、あなたにぴったりの求人をメールやアプリ内でピックアップして教えてくれます。
土日や通勤途中のスキマ時間に確認するだけなので、求人を探す手間を省けるようになりました。
筆者が使って良かった転職サイトはこちら↓
詳しくは下記をご覧ください。教員におすすめの転職サイトや注意点、より有効に使う方法をまとめています
STEP4:面接対策
中途採用の面接は教員の職歴に関する質問が中心です。
教員採用試験のような想像力や発想力を試す質問はほぼありません。
必ず聞かれる質問は以下の5つです。
・自己紹介と自己PR
・転職理由
・志望動機
・あなたの強み
・面接官への逆質問
面接マナーと流れを把握した上で、上記の質問の回答を用意しておきましょう。
STEP5:内定・入社準備
企業から内定を受け取ったら、
やったー!内定が出たぞ!
と喜ぶのも束の間。内定を承諾するか辞退するかを決めなければなりません。
以下のポイントをおさえて判断する必要があります。
・労働条件を確認する
・疑問点などは事前に調整・交渉する
・企業に内定承諾・辞退の返事をする
内定後に確認・準備しておくことは以下で解説しているので、面接を終えたら確認しておきましょう。
STEP6:教員の退職準備
教員から転職することを決意したら、退職手続きを進めます。
円満に教員を退職するためには、以下の3点についてよく考えておく必要があります。
・退職時期をいつにするか
・引き継ぎをどうするか
・年休の消化をどうするか
退職理由やタイミングによって、退職を引き止められてしまう可能性も。
転職後も今の職場の人と関わる機会がないとは言い切れません。
スッキリした気持ちで次のステージにいくためには、できる限り円満退職を心がけたいものです。
じゃあどうすればいいの?
何か気をつけることってあるのかな?
教員の辞め方については下記にまとめていますので、事前にしっかり読み込んで対策しておくことをおすすめします。
転職で失敗しないためには?転職成功のコツ5つ
教員から転職する手順はわかったけど、
内定がもらえなかったら嫌だな。
失敗するのは避けたい……
というのが本音ではないでしょうか。
教員が民間企業に勤める人と同じように転職活動をしてまうと、厳しい戦いは避けられません。
教員の転職を成功させるためには、教員なりのコツをおさえて挑むのがポイントです。
実際に転職してみて感じたコツはこちら↓
教員のキャリアを活用した方が転職成功率は高くなる
転職してみて一番感じたのは、教員のキャリアを活かした方が成功率は高くなる、ということです。
でも、教員と違う仕事がしたいんだけど……
という方もいるでしょう。
実は業種や職種が変わっても教員の経験は活用できます。
例えば、どの仕事にもプレゼンしたり、仕事を教えたりする機会はあるものです。
相手は子どもから大人に変わりますが、人前で話す、教えるといった根本的な部分は変わりません。
特に職種を優先するか業界を優先するかによっても成功率は異なります。
業種は学習支援業や建設業、製造業など「所属している場所」にすぎないため、転職の難易度にそこまで関係ありません。
一方、職種は教育や営業、企画といったスキルが関わるので、同じ職種であるほど転職しやすくなります。
教員は転職エージェントの活用は必須
転職活動は自力でも進められなくはないですが、働きながらの転職活動となると体力的にも精神的にもキツさをともないます。
転職活動で疲れてしまって、教員の仕事に支障が出てしまうのは避けたいですよね。
そこでおすすすめなのが、無料で転職活動をサポートしてくれる転職エージェントの活用です。
転職エージェントを利用するメリットは以下のとおり。
- 求人サイトに載っていない企業や業界情報が手に入る
- プロから見た強みを教えてもらえる
- 選考に通過できなかった理由を教えてもらえる(改善しやすい)
- 履歴書と職務経歴書を添削してもらえる
- 面接日程の調整を代行してもらえる
- 面接対策を受けられる
- 入社日の調整や年収交渉をしてもらえる
サポートしてくれるのは、キャリアアドバイザーといって、キャリアの知識が豊富にあって、過去にたくさん転職を支援してきたプロです。
筆者自身が安心して転職活動をスタートできたのは、転職エージェントにサポートしてもらったおかげでした。
元教員も転職エージェントを活用して転職に成功しています。
転職エージェントを利用した元教員の声
ただし、転職エージェントといっても、
どこのエージェントを使えばいいかわからない
という先生は多いです。
そこで当サイトでは元教員52名が利用した転職エージェントを調査しました。
↓↓↓
- リクルートエージェント:元教員の利用率No. 1!求人数と転職支援実績が豊富
- doda:ヒヤリングやサポートが丁寧。転職サイトも一緒に利用可能
- マイナビエージェント:業界ごとに専任アドバイザーが在籍
上記の転職エージェントを利用すれば、あなたの転職も成功に導けるはずです。
ちなみに当サイトに訪れる方は、上記3つのうちリクルートエージェントとdodaを利用して転職活動をスタートされる方が多いです。
複数のエージェントを利用する理由や無料で使える理由など、転職エージェントについて知りたい方は、以下で解説していますので、参考にしてください。
教員の経験やスキルにこだわりすぎない
転職する際に教員の経験やスキルが有利になるのは間違いありません。
しかし、過去のキャリアにこだわりすぎると、かえって転職がうまくいかない原因になってしまうケースもあります。
教育に関する仕事なら絶対に内定もらえる!
教員の時は年収500万だったから、そのくらいの価値が自分にはあるはず!
このような姿勢で転職活動にのぞんでしまうと、
上から目線で偉そうだな……
適応力や柔軟性もなさそう
といったマイナスイメージを与えてしまい、自分で転職の可能性を狭めてしまうのです。
確かに教員のキャリアを活かせる仕事の方が採用されやすくなるので、あえて絞って求人を探そうと考えている方もいると思います。
しかし、教育業界であっても、
・事務関係の仕事もできます
・マネジメントもできます
といった、幅を広げて求人を探した方が仕事が見つかりやすくなりますよ。
専門教科があれば有利になる
中学や高校の教員ですと、専門教科を武器に転職する方が多いです。
例えば、専門教科が英語の場合。英会話講師、留学コーディネーター、外資系企業など、海外で働くのも夢ではありません。
専門教科の知識は、転職する際の大きな強みになります。
専門分野を活かして転職したい方は、転職前に知識や経験値を高めておくのが得策です。
見栄を張りすぎない
求人紹介や面接の際によくあるのが、
(やったことないけど)できます!
など、見栄を張ってしまうケースです。
内定ほしさに見栄を張る気持ちもわかりますが……できないことを「できる」と答えてしまうと、入社後の自分を苦しめてしまう原因になりかねません。
私自身も応募しようとした求人に「中学受験の経験や指導実績がある」という条件があったのですが、
経験ないけど教員をしてたからいけるかな?
と甘く見ていた自分がいました。
結局見送りましたが、もし入社していたら大変なことになっていたでしょう。
転職活動において自分のスキルを効果的にアピールするのは大切ですが、逆に過大評価しすぎないことも重要です。
教員免許を取得しないと教員として働けないように、頑張るだけではどうにもならないこともあることを知っておきましょう。
転職前に教員が抱える悩みと解決策
教員から転職したいと思っていても、悩みがあって、
転職活動に踏み切れない
という方もいると思います。
以下では転職前によくある悩みと解決策を紹介するので、気になる部分だけでも読んでみてください。
教員も転職できます!行動する時間が大切です
今回は、教員から民間企業に転職する流れとコツを解説しました。
「教員」という肩書きを理由に転職をためらう必要はありません。今回紹介した手順とコツをおさえれば、企業への転職は十分可能です。
ここ最近、当サイトに訪れた方の中で、転職活動をスタートされる先生が増えてきました。
現状を変えるために大事なのは、あれこれ悩む時間ではなく、転職に向けて行動する時間です。
教員やめたいな
このようなお悩みを持つ先生は、今回紹介した手順にそって、まずは一歩踏み出してみてくださいね。
さらに転職の負担を減らして、成功率を上げるためには、転職エージェントの活用がおすすめです。
元教員の方が利用した転職エージェントをまとめました!52名が利用済みのエージェントだけを紹介しているので、安心してご利用ください。
\元教員52名に調査/
転職は3ヶ月以上かかると言われています。今年度の3月で退職を考えている先生は今がチャンスです。
しっかりと対策をして、教員からの転職を成功させましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!