転職における教員の強み・弱みとは?効果的にアピールする方法も紹介
転職活動で「強み」をアピールする必要があると知ったけど、
教員の強みって何だろう?
と疑問に思っていませんか。
中には「これかな?」と何となく思い浮かんでいる方がいるかもしれません。
しかし、その強みは転職で通用する「強み」と言えるでしょうか。
自分にとっての「強み」を転職先の「強み」と考えているようでは、転職成功は難しいでしょう。
また、「弱み」についても面接で聞かれる場合があるため、対策を考えておく必要があります。
当記事では私の転職体験談をもとに、教員の強み・弱みと効果的にアピールする方法を解説します。
ぜひじっくり読み込んでいただいて、あなたの悩みを解決するヒントにしてください。
教員の転職における「強み」と「長所」の違い
はじめに、転職における「強み」とは何か?を解説します。
なぜなら、「強み」と混同されやすいものに「長所」があるからです。2つの意味は同じようで実は異なります。
意味の違いを知らずに転職活動に挑んでしまうと、厳しい戦いは避けられません。
スムーズに転職活動を進めるためには、まずは違いを押さえておきましょう。
- 強み:教員で身につけたスキル
仕事で活かせる、成果に直接関するもの - 長所:もともと持っている優れた人柄
几帳面、明るい、粘り強いなど
転職活動の選考において、
私の強みは几帳面なところです
など「長所」を「強み」として述べてしまうと、選考通過は厳しいでしょう。
なぜ厳しいかについては、企業の立場から考えてみるとわかります。
几帳面だから「採用」となるでしょうか?
几帳面だから、君を採用しよう
とはなりませんよね。他にも魅力的な点があれば採用となるでしょう。
しかし、「几帳面」だから「採用される」わけではないことが分かります。
もちろん働く上で「几帳面さ」があるに越したことはありませんが………
企業からすると「どんなことに貢献できるのか?」といった前職で身につけたスキル(強み)の方が重要だからです。
あなたに「強み」があるからこそ、「採用したい」と思えるのです。
転職に役立つ教員の強みとは?
教員の強みと言われてもパッと思い浮かばない方もいると思います。
ここでは転職における教員の「強み」を紹介するので、参考にして選考を有利に進めましょう。
コミュニケーション能力
教員の一番の強み、といっても過言ではないのが「コミュニケーション能力」です。
コミュニケーション能力は、具体的に3つのスキルに分けられます。
・相手の話を聴く力
・自分の考えなどを伝える力
・相手の気持ちなどを読み取る力
上記3つのスキルは教員として働いていると欠かせません。
子どもや保護者の話を聴いたり、指示を出したり。生徒の様子から困ったことや変化がないか察知する力もあるでしょう。
また、教員は年齢、性別、職業問わず、たくさんの人と関わります。
子ども・生徒/保護者/教職員/地域の人/外部の業者
これほど人と関わって、日常会話からクレームまで幅広く対応できるのは教員だけでしょう。
つまり、教員は他の応募者よりもコミュニケーション能力に長けている、と言えます。
プレゼンテーション力
プレゼンテーション力も教員の強みです。
え?プレゼンテーションなんてそんなにした経験がないけど……
と思うかもしれませんが、教員は人の前で話すことに慣れていますし、わかりやすく伝えられるからです。
しかし、世間一般は違います。
以下の画像を見てください。
小学館の調査「人前で話すことが得意か?」によると、全体の74.4%の人が話すことに苦手意識を感じているのです。
教員は普段の授業はもちろん、学級懇談会や説明会など保護者の前で話す機会もあります。
プレゼンテーション力は教員の大きな強みと言えるでしょう。
課題解決力
課題解決力も教員として働いていると欠かせません。
・クラス全体や児童・生徒の様子から課題を見つける
・課題解決のための施策を考えて実行する
このように授業や学級経営など、常に課題解決に向けて試行錯誤しているでしょう。
特に「課題解決力」は業界・職種に関わらず活かせるスキルです。
具体的に取り組んだことをメモしておくと、アピールしやすくなります。
リーダーシップ力
子ども一人ひとりの力を伸ばしつつ、クラス全体を指導できるのは、教員ならではの力です。
目標に向かってチームを率いることができるので、転職先によってはアピールポイントになります。
ただし、リーダーシップ力は「偉そう」と思われてしまうリスクもあるので要注意。
一方的に主張しないなど、謙虚さや素直さも合わせてアピールしましょう。
交渉力
交渉力とは、お互いが納得できるゴールを見つける力を意味します。
例えば、保護者から要望があった場合。
その要望には応えられません!
など、いきなり否定することないですよね。
教員としての考えを述べたり、出来ることを提案したりするなど、保護者が納得できるように伝えると思います。
営業職など人と関わる仕事に転職する場合は、「交渉力」を武器にアピールしてみましょう。
教科や教育に関する専門知識
転職先によっては、教科や教育に関する知識も「強み」としてアピールできます。
英会話講師や旅行代理店:英語
会計士やプログラマー:数学
日本語教師やライター:国語
特に中学校・高校教員の方は自分の教科を武器に転職する方が多いです。
アピールできる仕事の場合は教科の専門知識も活用しましょう。
パソコンスキル
教員として働いていると、
・Wordで指導案作成
・PowerPointを用いた研修資料づくり
・Excelで授業アンケートの集計や成績管理
・ICTを活用した授業づくり
などを通してPCスキルも身についていると思います。
教員だけでなく、今やパソコンを使わない仕事は仕事はない、といっても過言ではありません。
特に事務職やIT・Web系の仕事に転職したい方は、アピールすると効果的です。
自分の「強み」を見つける方法【5ステップ】
同じ教員という仕事でも、経験やスキルは人によって異なります。
ここでは、「強み」を見つける方法を5つのステップにまとめました。
以下を参考にして、自分の「強み」を見つけてみてください。
教員として働きはじめてから今までの「勤務校」「職務内容」「実績」をノートやパソコンに書いていきます。
1年ごとに区切って、その年のデータや資料を見ると思い出しやすいです。
- 勤務校:生徒数、雇用形態(正規・講師)、役職など
- 職務内容:担任としての業務、校務分掌、担当教科、部活など
- 実績:目標・成果自己評価シートから達成した内容を記入
次は1年ごとに印象に残っている出来事を書き込みます。
- 人から思い出す
クラスの子どもや生徒、保護者、同学年の先生など - 自分のことから思い出す
うれしかったことや大変だったことなど - 行事から思い出す
体育祭や文化祭、遠足、社会科見学など
また、その年ごとに大切にしたことや学んだことも記入します。
STEP2で大切にしたことや学んだことルを「強み」として捉えられるように言い換えます。
例えば、指示の出し方がトラブル回避につながると学んだ場合は、「課題解決力」に当たるでしょう。
前述した教員の強みを参考にして、言い換えてみましょう。
当てはまるものがない場合は「〇〇力」や「〇〇スキル」と書き換えるだけでも、強みとして捉えられやすくなります。
社会に出てから現在までの「プライベートや社会的な出来事」も記入しましょう。
・取得した資格や結婚などプラスになる出来事
・病気や休職などマイナスになる出来事
・コロナなど社会的な出来事
上記の出来事を書くことで、経験から得たものとの「つながり」が分かるようになります。
あとは書き込んだ内容から「強み」を抽出するだけです。
これまでの作業により、主任など「役職」に就いたり、目標を達成できたりしたのは、
・教員の強みを発揮したことによるものなのか?
・環境・社会の変化によるものなのか?
上記どちらの理由か切り分けることで、あなたの本当の「強み」を分別できるはずです。
教員の「強み」を効果的にアピールする方法
自分の「強み」が分かっても、伝え方によってアピールできていない場合もあります。
ここでは、自身の「強み」を効果的にアピールする方法を3つ紹介するので、参考にしてください。
企業リサーチする
1つ目は企業リサーチです。
私の強みは〇〇です!
うちは〇〇よりも、他の強みがある人を求めているんだけどな……
上記のように、自分の「強み」が企業側にとっての「強み」として認識されないのでは、意味がありません。
「強み」のズレを生まないためには、事前に企業が求める人物像をリサーチしておく必要があります。
企業リサーチの方法は、転職サイトの求人情報から以下の3点をチェックするのがおすすめです。
・会社紹介
・仕事内容
・必要な経験や能力
上記から企業が求める人物像を読み取って、履歴書や職務経歴書、面接の自己紹介などに落とし込みましょう。
面接においても自己PRとしてあなたの「強み」をアピールすると、内定に近づけるはずです。
エピソードと一緒に伝える
私の強みはコミュニケーション能力です
ありきたりな回答だな……
上記のように「強み」だけ伝えても、良い印象は与えられません。
効果的にアピールするためには、
子どもの性格に応じて声をかけるタイミングや言葉の選び方を意識したことで信頼関係を構築できました
このように具体的なエピソードと一緒に伝えましょう。
転職エージェントを活用する
自分の強みを活かす方法として転職エージェントの活用も有効です。
転職エージェントのアドバイザーは求人を出している企業の担当者から、どのような人物を求めているか丁寧にヒヤリングしています。
「強み」を分析した上で、転職エージェントと面談すると、自身の「セールスポイント」を活かせる求人を紹介してくれるはずです。
また、転職エージェントを活用すると以下のようなメリットも得られます。
- 求人サイトに載っていない企業•業界情報が手に入る
- プロから見た自分の強みを教えてもらえる
- 選考に通過できなかった理由が分かる(改善しやすい)
- 履歴書と職務経歴書を添削してもらえる
- 面接日程の調整を代行してもらえる
- 面接対策を受けられる
- 入社日の調整や年収交渉をしてもらえる
転職エージェントは人材が採用された時に企業から報酬をもらうシステムのため、あなたは無料で利用できます。
転職しにくいと言われる教員こそ、無駄なく転職活動を進める上で利用しない手はないサービスです。
元教員が利用した転職エージェントベスト3は次とおり。
- リクルートエージェント
元教員の利用者数No. 1のエージェント - doda
サポートの手厚さで選ぶなら - マイナビエージェント
20・30代教員の転職に強い
エージェントとの相性を見極めるためにも、複数のサービスに登録しておきましょう。
転職エージェントの選び方は以下で解説していますので、参考にしてください。
転職活動では教員の「弱み」にも目を向けておこう
ここまで教員の「強み」を解説しましたが、教員の「弱み」があるのも事実です。
「弱み」について面接で聞かれる可能性もあるため、事前に対策しておく必要があります。
ここでは教員の転職における「弱み」とその対策を紹介します。
教員の転職における「弱み」とは?
教員の転職における「弱み」として以下の3点が挙げられます。
- ビジネススキルがない
企業は利益が全てなので「即戦力にならない・仕事に対する考え方が甘い」と思われてしまう - 「偉そう」というイメージ
「教員」という立場から、入社しても「柔軟性がない・適応できない」と思われてしまう - 不信感をもたれる
公務員という安定した仕事から転職する場合、「何かあったのではないか?」と不信に思われてしまう場合も
働き方の違いや教員という立場は変えられないので、「弱み」として捉えられるのは仕方がありません。しっかり対策して挑みましょう。
弱みの対処法
もし「弱み」を指摘されたら、どうすればいいんだろう……
と不安になる方もいると思います。
「弱み」の対処法として、「ごまかさないこと」が大前提です。
例え書類選考や面接でうまくしのげたとしても入社後にバレますし、自分自身が大変な思いをするでしょう。
不信感については転職理由をしっかり考えば対策可能ですが、他の「弱み」に対してどのように対処すればいいのでしょうか?
実は「克服に向けて取り組んでいることや勉強する意欲を伝える方法」があります。
現状足りていない業界に関する知識などは勉強しつつ、現場で実践を重ねていきたいと思っております
このように改善策や応募先での活躍につなげようとしている点を伝えましょう。
教員の強みを効果的にアピールして転職を成功させよう!
今回は転職における教員の強み・弱みと効果的にアピールする方法を解説しました。
同じ教員でも得た経験や培ったスキルは異なります。
まずはあなたの「強み」を見つけるところから始めましょう。
また、「弱み」についても目をそらさず、プラスに変えられるように対策することが大切です。
教員の転職を成功させるためには、
教員の「強み」を活かして、弱みをプラスに変える意識
が大切といえます。
今回ご紹介した方法を参考に選考対策をして、ぜひ内定を勝ち取ってくださいね。