教員の給料は割に合わない?データでみる教員の労働環境と対処法5つ

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教員として働いていると、

給料が割に合わない……

と感じる時もありますよね。

ミチ

私自身も教員として働いていましたが、給料に疑問を感じた時期がありました

とはいえ、職場で給料の話はしにくいですし、むしろ話をする暇さえないのが現状でしょう。

しかし、教員をはじめとした公務員はいくら頑張って働いても、給料の上がり方が決まっているので、適切な対処法で乗り切るしかありません。

疑問を感じながら働くのではなく、

自分で自分の現状を変える「視点」をもつ

ということが大切です。

不満を感じているのはあなたですが、その不満を解消できるのもあなたです。

そこで当記事では、体験談をもとに教員の給料が割に合わないと感じる理由と対処法を解説します。

じっくり読み込んで、あなたの悩みを解決するヒントにしてください。

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教員の給料が割に合わないと感じる理由

教員の給料が割に合わないと感じる理由は主に「勤務時間と給料のアンバランス」でしょう。

教員の仕事は多岐に渡りますし、毎日残業しないと終わらない仕事量ですよね。

常に仕事と時間に追われ、やりがいだけでは乗り切れない日もあると思います。

苦労が報われない日が続くと、最初は多く感じた給料も、

勤務時間で計算するとパートした方が良いのでは?

と感じるようになり、仕事に対して前向きな気持ちで向き合えなくなってしまうのです。

データで見る教員の労働環境

実際に教員の給料は割に合わないのでしょうか?

ここでは、データを用いて「割に合わない」と感じる理由を整理してみます。

教員の平均年収は民間企業に勤める人よりも高い

民間企業に勤める人の年収と教員の年収を比べてみると、教員の方が多いことが分かります。

平均年収の比較
小中学校教員:624万円
民間企業に勤める人:458万円
参考:令和4年度「地方公務員給与の実態」/令和4年分「民間給与実態統計調査結果

特に公務員の場合は、勤務年数が長くなるにつれて収入も上がるので、収入が安定している点も魅力の一つですよね。

しかし、給料が高い傾向にあるにも関わらず、なぜ割に合わないと感じるのでしょうか。

以下では、主な原因を3つ紹介します。

教員の勤務時間は長い傾向にある

教員は給料が高い一方で、勤務時間が長い傾向にあります

勤務時間の比較は次のとおりです。

企業の平均勤務時間:7時間48分
小学校教諭の在校時間:10時間45分
中学校教諭の在校時間:11時間1分
参考:厚生労働省「令和4年就労状況調査」/文科省「教員勤務実態調査(令和4年度)

本来の教員の勤務時間も「7時間45」ですが、

7時間45分じゃ仕事が終わらない

というのが本音ではないでしょうか。

時間外に働いても収入は変わらない

教員が特に不満を抱きやすのは、残業代が出ない点だと思います。

教員は給特法という法律で時間外手当が支払われないことが決められているからです。

時間外手当の代わりに教員調整額が支払われていますが、

月額給与の一律4%

と定められているため、いくら時間外に働こうと収入は変わりません

毎日3~4時間残業して、

ようやく明日なんとかなりそう

という状態の方が多いと思います。

しかし、教員も人間です。残業代のことを考えると、やる気がなくなってしまうのは仕方ないでしょう。

教員の給料は上がるのか?

小中学校教員の平均年収は下がりつつあります。

年度別の平均年収
令和4年度:624万8,305円
令和3年度:632万1,749円
令和2年度:637万7,698円
参考:総務省「地方公務員給与の実態

ただ、今後は上がる可能性があるかもしれません

教員不足を解消するために「教員調整額を4%から10%に上げる案」が出たからです。

仮に増えたとすると、基本給月30万円の場合は、1万2,000円から3万円にアップします。

しかし、案が出たからといって、

・本当に変わるのか
・変わるとしたらいつから変わるのか

といった未来のことはわからないので、安心はできません。

割に合わない

と感じているのであれば、今後に期待するよりも、今できる対処法を実践する方が賢明でしょう。

「割に合わない」と感じた時の対処法

教員の給料制度そのもは自分一人では変えられません。

しかし、決められた範囲内でモヤモヤを解消することは可能です。

具体的な対処法は5つあります。

上記の方法を実践すると、今よりも前向きな気持ちで働けるでしょう。

給料の上がり方を把握しておく

「割に合わない」と感じるのは、今の収入に対してだけかもしれません。

教員の給料は勤務年数とともに上がるからです。

事前にいくら上がるのか把握しておくと、悩みを解決できる可能性があります。

以下では教員の給料制度について解説しますので、知識を身につけておきましょう。

教員の給料は各自治体が定める給料表に基づいて決められます

東京都教育委員会の給料表

東京都教育委員会の給料表

給料の決定に大きく関わるのが「級」と「号給」です。

職務の級:職名で決まる(1級は講師、2級は教諭など)
号給:学歴と勤務成績によって異なる

号給のスタート地点は学歴や自治体の規則によって異なりますが、基本的に一年4つずつ上がっていきます。

毎年8,000円ずつアップしていくイメージです。

あらかじめ自分の級と号給を知っておくと、いくら増えるか予測がつきます。

自分の級と号給がわからない……

という方は、給料明細に記載してあるので、チェックしてみてください。

給料アップを狙う

教員の給料は級と号給によって変わるので、ある程度までは給料アップが見込めます

具体的な方法は次の2つ。

給料を上げる方法
・役職に就く
・管理職による評価を上げる

ただ、役職に関しては年齢制限や勤務年数などに条件があるので、若手教員の場合は現実的な方法ではないでしょう。

しかし、評価を上げる方法ですと、給料アップを狙える可能性はあります

管理職の評価結果は、

・号給アップ
・期末勤勉手当アップ

に影響するからです。

ミチ

実際に私は自主的に授業研を行い、評価が上がった経験があります。

評価が上がる保証はありませんが、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。

手元にあるお金を増やす

収入を増やすだけでなく、手元にあるお金を増やすのも一つの手です。

ご存知の通り、公務員の副業は禁止されていますが、資産運用については禁止する規定はありません

実際にiDeCoは公務員も加入対象者になっていますし、国家公務員の人事を管理する人事院も、計画的な資産運用が必要であるとしています

・年金受給の開始時期が上がっている
・年金の支給額が減少傾向にある

といった現状から、教員も資産形成をする必要があると言えるでしょう。

お金の勉強は、本を読むのがおすすめです。

ただし、実際に資産運用を始める場合は、

・給与以外の所得が年20万円をこえた場合は確定申告が必要
・金融商品によってはリスクが伴う

など注意点もあるので、より正しい知識が求められます

自分に合う資産運用法を知りたい

リスクの少ない投資を知りたい

という方は、ファイナンシャルアカデミーのお金の教養講座がおすすめです。

15年で累計71万人以上が受講した、実績のある無料講座です。

本と合わせて知識を身につけておけば、安心してお金を増やせますし、給料に関して悩むこともなくなるでしょう。

お金の教養講座公式サイト

働き方を見直して残業時間を減らす

教員はどれだけ時間外に働いても給料は変わらないので、働き方を見直して残業時間を減らすのも一つです。

「給料が割に合わない」と感じているのは、残業時間が多いことが主な要因かもしれません。

・時間外にしている仕事は何か?
・そのうち勤務時間内にできることはないか?

など普段の働き方を見直してみると、解決策が見つかる場合があります。

どうしても思いつかない場合は、以下の方法を参考にしてみてください。

働き方を改善する方法
・作業スピードをはやめる
・優先順位をつけて働く
・ベテラン教員のやり方を真似する

特にベテラン教員の働き方は参考になると思います。なぜ早いのか観察してみると、コツがわかるでしょう。

実際に私は学年主任が放課後していないことをチェックしていました。

ミチ

「放課後していない=勤務時間内にできる」

という点に気づいて、放課後の作業を減らすように意識していた時期があります。

残業時間が減って早く帰れるようになると、素直に嬉しいですし、心に余裕ができて明るい気持ちで仕事に向き合えるでしょう。

教員として働く目的を見つける

教員として働く目的の1つは、お金だと思います。生活するためにはお金が必要ですから当然のことでしょう。

しかし、お金だけを目的に働いても「幸せ」とは言えないのが人生です。

仮に満足のいく給料がもらえたとしても、それ以上に仕事がきつければ、

もうやってられない

給料が低くてもいいからもっと楽な仕事をしたい

と感じてしまいます。

しかし、教員の仕事に楽しさを感じている場合はどうでしょうか。

教員の仕事つらすぎ

と感じている人よりも、

教員の仕事が楽しくてしょうがない

という人の方が幸せなのは明らかですよね。

ぜひこの機会に、

・教員としてやりたいこと
・勉強したいと感じること

など、お金以外の目的を見つけてみましょう。

転職して解決する方法もある

さまざま改善策を試してみたけれど、それでもモヤモヤが解消されない場合は、

転職して環境を変える

という方法も視野に入れてみましょう。

いくら頑張っても収入に上限がある

公務員の収入は安定していますが、一方で収入に上限があるのも事実です。

いくら増えるか決められていますから、

年収1,000万円を目指したい

と思っても、公務員として働いている限り、実現は不可能でしょう。

年収1,000万円の仕事に転職するか、自分で起業する道を模索した方が現実的です。

・理想の年収はいくらか
・その年収は教員として実現できるのか

を考えると次に取るべき行動が見えてきます。

転職活動は準備して進めよう

転職活動は主に6つのステップがあります。

転職活動の流れ6ステップ
STEP

希望条件の整理や自己分析をする

STEP

履歴書と職務経歴書を作成する

STEP

求人情報を集めて応募する

STEP

面接に備えて対策をする

STEP

内定先が決まったら入社準備をする

STEP

引き継ぎをして教員を退職する

焦って転職してしまい、給料が割に合わないと感じる仕事に就いてしまっては問題解決になりません

教員として働きながらの転職活動は大変ですが、転職エージェントを活用すると効率よく進めることは可能です。

実際に転職する場合は、後悔しないためにも、

・何を目的に転職するのか
・希望条件に優先順位をつける

など、事前に準備した上で進めましょう。

転職活動の準備については下記にまとめていますので、参考にしてください。

給料が割に合わないと感じたら5つの対処法を実践してみよう

今回は教員に向けて、給料が割に合わないと感じる理由と対処法を解説しました。

いくら働いても、苦労が報われなかったり、見合った報酬がもらえなかったりする場合、

給料が割に合わない

と感じるのも無理ありません。

そんな時こそ、自分の悩みを受け入れて、新たな視点と行動で解決に導きましょう

今回紹介した対処法を参考にして、できることからチャレンジしてみてくださいね。

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