小学校教員の転職事情|リアルな転職体験から分かる成功ポイント3つ
小学校教員を辞めたいけど、転職できるのかな……
と悩んでいませんか。
小学校教員を辞めたい!と思っても、どんな仕事に転職できるのか、辞めて後悔しないか……
不安になるのは当然のことです。
私も小学校教員から転職しましたが、辞める前は不安でいっぱいでした。
そこで当記事では、小学校教員のリアルな転職実態と体験談、成功ポイントをまとめました。
小学校教員の転職は、中高教員に比べると教科の専門性がないので、間口が狭くなりがちです。
また、企業に勤める人とは事情が異なるため、選考ハードルも高くなります。甘くはありません。
しかし、小学校教員から転職に成功した方がたくさんいるのも事実。
この記事は私の体験談に加え、当サイトで調査した他の元小学校教員の体験も参考にしてまとめたので、参考になるはずです。
転職は人生における大きな決断。ぜひじっくり読み込んでみてください。
小学校教員の転職は難しいのか?
教員から転職するとなるとよく言われるのが、
教員の転職は難しいみたいだから、やめておいた方がいいんじゃない?
という言葉です。
私も転職前は「難しい」というイメージがありました。
実際に転職活動してみて感じたのは、やはり「甘くはない」ということです。
教員の転職が難しい理由をまとめると、大きく分けて2つあります。
- 企業側の理由
- 即戦力のある人材が欲しいから
活躍できるイメージがないと厳しい - 長く働ける人材(若年層)を求めるから
転職は年齢が大きく関わる - 適応力や柔軟性がある人を採用したいから
教員は「偉そう」と思われやすい
- 即戦力のある人材が欲しいから
- 教員側の理由
- 教員の方が年収が高いケースもある
- 転職活動する時間が土日に限られる
- スキルや実績がアピールしにくい
実際に「ビジネススキルが身についていない」「民間企業で働く覚悟が感じられない」といった理由で選考を突破できないケースも。
ただし、実際に転職している方がいることから、決して不可能ではありません。
データで見る小学校教員の転職事情
教員になったら一生教員として働くのが一般的でしたが、実際どうなのでしょうか。
ここでは、データを用いて小学校教員の転職事情を検証してみました。
小学校教員から転職する人は増えている
文部科学省の調査によると、小学校教員を辞める人は年々増えていることが分かります。
小学校教員の退職者数(定年以外)
年度 | 退職者数 |
---|---|
平成27年度 | 6,007人 |
平成30年度 | 6,384人 |
令和3年度 | 7,016人 |
上記のうち転職を理由に退職した方の人数は、
年度 | 退職者数 |
---|---|
平成27年度 | 1,501人 |
平成30年度 | 1,715人 |
令和3年度 | 2,083人 |
と3分の1を占めています。
あなたの勤めている学校では早期退職する方はいないかもしれません。
しかし、データから毎年1,500人以上の教員が転職を理由に小学校教員をやめている、ということが分かります。
小学校教員の転職は年収がダウンしやすい
小学校教員が転職に踏み切れない理由の1つとして、年収ダウンへの懸念が挙げられます。
平均年収を比べてみると、
小学校教員:739.7万円
民間企業:443万円
出典:厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」/国税庁公式サイト
小学校教員の方が高いことが分かります。
私自身も転職して月5万円ほど下がりました。
毎月の生活がかかっているので、給与は切実な問題ですよね。
転職して今の収入よりも低くなるのは嫌だな……
という方は転職しにくいでしょう。
しかし、転職して収入が下がったけど、幸せに暮らしている方もたくさんいます。
一方で転職して「年収が変わらなかった」「上がった」という方もいるのです。
転職して後悔しないためのポイントは1つ。
何を基準に転職するか
これに尽きます。
転職活動を始める前に、転職先に求める条件をはっきりさせておきましょう。
元小学校教員の体験談からわかる転職の現実
当サイトでは、小学校教員から転職した方の調査を実施しました。
対象者:小学校教員から転職した方
調査方法:ネット・口頭リサーチ
調査人数:32人
調査対象者情報は以下のとおりです。
(n=32)
小学校教員から転職した年齢(n=32)
男女比小学校教員をやめた理由
調査結果から小学校教員をやめた理由をまとめました。
- 教員を続けた自分がイメージできなくなった
- 子ども達に対して良い感情を抱けなくなった
- 自分の子どもや家族と向き合う時間が欲しかったから
- 他にやりたいことを見つけたから
- 教員のキャリアアップ(将来性)に不安を感じたから
- 体調不良になって人生に向き合った
具体的な理由は次のとおり。
辞めた理由をもっと見てみる
小学校教員の転職先
小学校教員から転職を考えた際に気になるのが、転職先ですよね。
調査結果は次のとおりです。
- 教育関係
- 塾講師
- 大学教員
- 学童施設
- 学校事務
- 非常勤講師
- 放課後デイサービス
- 教育系のNPO法人
- 異業種
- 事務職
- 営業職
- IT係(ITエンジニア/SE/コンサル)
- 人材派遣
- 公務員(市役所)
- フリーランス
- Webデザイナー
- Webライター
- 心理カウンセラー
- パーソナルトレーナーなど
調査結果から小学校教員の転職先や働き方は多種多様なことが分かります。
でも、教員の経験しかないし……
と不安になる方がいるかもしれませんが、元教員も教師経験しかない方がほとんどです。
むしろ教員の経験は転職において立派な強みになります。
私も教師経験しかありませんでしたが、転職できたので安心してください。
小学校教員の転職を成功に導くためのポイント
実際に小学校教員から転職してみて感じたのは、教員の転職を成功させるためには「コツ」があることです。
以下の3点を押さえて転職活動に挑みましょう。
- 転職活動に本気で取り組む:
「絶対に内定をもらう!」という強い気持ちで挑もう - 転職理由を言語化しておく:
希望条件を言語化して優先順位をつけよう - 転職活動の準備をする:
応募書類作成や面接対策などをしっかり対策しよう
転職活動に本気で取り組もう
転職できる気がしなくて……
小学校教員から転職したいと思っていても、上記のような悩みを抱えている方はたくさんいます。
しかし、本当に転職先が決まるかどうかは行動してみないことには分かりません。
少しキツイ言い方になるかもしれませんが、彼らをみているとどこか真剣さに欠けるような気がするのです。
上記のようなタイプの方は、決まった思考サイクルを繰り返しています。
- 教員もうやだ!やめたい!
- でも、せっかく教員になったし……(もうちょっと頑張ってみよう)
- 少し状況が改善して、やめたい気持ちが薄らぐ
- さらに状況が良くなることを願って働き続ける
- でも状況が変わらずまた教員をやめたいと思う
このような状況で働いていも、モチベーションが上がるどころか、愚痴が多くなるばかりです。
やりがいを感じる日もあるかもしれませんが、心と体にも悪影響を与えてしまうでしょう。
上記のサイクルから抜け出すのは、転職するにせよ、しないにせよ何かしら行動を起こすことが大切です。
・教員をやめたい理由を書き出してみる
・転職サイトに登録してどんな求人があるか調べてみる
などアクションを起こしてみてください。自分に向き合う機会になって、何か発見できるはずです。
本気の転職活動をスタートするきっかけにもなるでしょう。
転職したい理由を言語化しておこう
面接で必ず聞かれる質問の1つが転職理由です。
貴社の〇〇に貢献したいです
といった前向きな理由を答える必要があります。
しかし、本音を言うと、
・長時間勤務
・人間関係に疲れた
・残業が出ないのキツイ……
といった辞める事情がそれぞれあるでしょう。
悩みを解決するために、転職するかどうか考えているはずです。
本当のやめたい理由を言語化していると、何を基準に転職先を選ぶか見えてくるでしょう。
一方で基準がないまま転職活動を始めてしまう、
年収が高いから、この会社でいいや……
といったように条件や待遇で応募先を選んでしまうのが人間です。
上記の基準で転職しても悩みは解決できないでしょう。
教員から転職して後悔しないためには、転職理由の言語化が欠かせません。
転職活動の準備をしよう
転職が成功するかどうかは、準備次第といっても過言ではありません。
転職活動は以下の流れで進んでいきますが、それぞれのステップごとに対策があります。
準備していないのは、自分で選考通過率を下げるようなもの。
ただし、全てのステップを一人で対策するのは大変ですよね。
そこで、転職エージェントを上手く活用してサポートしてもらいましょう。
転職エージェントを利用すると以下の転職支援を無料で受けられます。
- キャリアの棚卸しと転職目的の確認
自分で気づかなかった強みがわかる
転職で実現したいゴールが明確になる - 転職活動の計画作成
希望入社日から逆算してスケジュールを提案してもらえる - 求人の紹介
非公開求人の紹介や求人企業の詳細情報も教えてもらえる - 職務経歴書(応募書類)の添削
選考通過率を高める書類を作成できる - 面接対策と面接日程調整
過去の面接情報をもとにアドバイスが受けられる - 条件交渉&入社日の調整
自分では言い出しにくい年収や待遇の交渉を代行してもらえる - 退職アドバイス
内定後にやるべきことを教えてもらえる
元教員もエージェントを利用して転職に成功しています。
ただし、転職エージェントによって担当者との相性やサービスの質が異なるので、自分に合ったエージェントの見極めが必要です。
- リクルートエージェント
【公式】https://www.r-agent.com
求人数・転職支援実績No. 1 - doda
【公式】https://doda.jp
手厚いサポート・転職サイトも併用可能 - マイナビエージェント
【公式】https://mynavi-agent.jp
20・30代の転職に強い
転職エージェントについては下記にまとめていますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。
異業種転職のポイント
小学校教員から異業種転職というとハードルが高そうですよね。
もし、未経験の分野に転職するなら以下のポイントをおさえましょう。
需要のある業界や職種を狙って数をこなす
教員から異業種転職する場合、スキルも経験もアピールしにくいため、難易度が上がります。
選考に通りにくい傾向にあるので、数十社応募が基本です。
本命の1社だけ応募して、内定獲得を狙う
といった状況では転職先は決まらないでしょう。
小学校教員の異業種転職の現実
転職活動をしていました。書類落ち70件以上。 と、思ったら一気に内定が2つ。
出典:X
〈エントリー総数〉107社
〈書類通過数〉7社(6.5%)
〈一次通過率〉4社(3.7%)
出典:X
元教員の現実からわかる通り、求人数が多い業界や職種を狙って数をこなすのがポイントです。
求人数が多いので、応募数する機会が増えて転職先も決まりやすくなります。
求人数が多い業界・職種は次のとおりです。
- SE・ITエンジニア
- エンジニア(設計)
- 建築・土木
- 事務職
- コンサル
参考:リクルートエージェントの求人数(2023年9月時点)
実際にIT系(エンジニア)や人材(営業など)に転職する小学校教員は多いです。
転職先を選ぶ方法として求人数も参考にしてみてください。
教員の経験やスキルを紐づけてアピールする
未経験の仕事となると、採用担当者が「雇うメリット」を感じない限り、内定は厳しくなります。
選考において、教員の経験やスキルのアピールが欠かせません。
え?異業種だから教員の経験はアピールできないでしょ
と思ったかもしれませんが、必ず転職に有利となるスキルや経験はあるものです。
例えば、コミュニケーションスキルひとつとっても、職種や業界に関わらず必要とされます。
特に相手に応じて言葉遣いや話し方を変えられるスキルは小学校教員の強みでしょう。
教員の仕事内容を言語化するとアピールできる点が見つかりやすいので、おすすめです。
スキルを身につけてから転職する
エンジニアやWebデザイナーなどに転職したい場合は、スキルを身につけてからの転職をおすすめします。
企業側は即戦力のある人材が欲しいからです。
知識も経験もない中で転職活動する場合、よっぽどあなたに魅力がない限り、内定をもらうのは難しいでしょう。
しかし、スキルを身につけてから転職すると、
プログラミングを学んだため、〇〇できます
身につけた〇〇スキルを活かして、貴社に貢献したいです
上記のようにアピールできるため、あなたを雇うメリットを感じて選考に通過しやすくなります。
元教員もスキルを身につけてから転職しているため、事前学習は必須と言えます。
とはいえ、スキルはすぐに身につくものではありません。
3ヶ月以上先を見越して、早めに勉強を始めましょう。
小学校教員の転職についてよくある質問
ここでは、小学校教員の転職についてよくある質問にお答えます。
体験談から回答するので、ぜひ参考にしてください。
小学校教員の転職は可能!ポイントを押さえて準備しよう
今回は、小学校教員の転職事情について紹介しました。
以下のポイントを押さえて実践すると、転職成功に近づけるはずです。
- 転職活動に本気で取り組む:
「絶対に内定をもらう!」という強い気持ちで挑もう - 転職理由を言語化しておく:
希望条件を言語化して優先順位をつけよう - 転職活動の準備をする:
応募書類作成や面接対策などをしっかり対策しよう
当サイトでは小学校教員の転職体験談を紹介していますので、参考にしてくださいね。