授業が下手で辞めたい…よくあるケース5つと解決策3つを元教員が解説
こんにちは、元教員のミチです。
「自分の授業、本当にダメだ」
「子どもや生徒に申し訳ない…」
「もういっそのこと辞めてしまいたい」
と悩んでいませんか。
他の先生の授業を観たり、授業研であれこれ言われてしまったり……
筆者自身も教員として働いていましたが、何度も自分の能力不足に落ち込んだ経験があります
自分の授業のできなさに落ち込むことは誰にでもありますが、「辞めたい」とまで思っているということは、自分に向き合うチャンスかもしれません。
大切なのは辞める前に「今の仕事でやれることはないか」考えること。
特に授業力はパッと身に付くものではなく、経験やスキルを積み重ていく中で上手になっていくものだからです。
特に教員経験が浅ければ浅いほど、授業力のなさを感じやすい傾向にあります。
そこで今回は、授業が「下手」と感じる場面5つと解決策を3つまとめました。
じっくり読み込んでいただくと、仕事や自分の将来に対して前向きになれるはずです。
体験談をもとに解説しますので、あなたの悩みを解決するヒントにしてくださいね
授業が「下手」と感じやすい場面5つ
ここでは、「自分は授業が下手だ」と感じやすい代表的なパターンを5つ紹介します。
「自分だけじゃない」と気づくだけでも、肩の荷がスッと降りるかもしれません。
該当するものがないか確認してみてくださいね!
子どもや生徒がわかっていない時
一番多いのが、子どもや生徒がわかっていない時です。
具体例はこちら↓
- プリントやノートに何も書いていない
- 生徒や子どもが授業を聞いていない
- 子どもが指示通りに動いていない
- 発問をするも反応がない
- 指示を出すも質問が飛び交うなど
子どもや生徒がわかっていないと、
もっと準備しておけばよかった
こうすればよかったかな
と後悔した経験ありませんか。筆者は数えきれないほどあります。
研究授業で厳しい意見を言われた時
〇〇する必要はなかったと思います
事前に〇〇しておく必要があったのではないでしょうか
このように協議会で厳しい評価を受ける場合もあるでしょう。
がんばりが認められなかったり、授業を否定されたりするのは辛いですよね。
自分の能力不足を感じて、
やっぱり自分は授業が下手なんだ
と感じてしまうのも無理はありません。
他の教員と自分の授業を比べた時
他の先生の授業をみる機会もあるでしょう。
特にベテラン教員の授業であればあるど、
・子どもや生徒が考えをびっしり書いている
・発言する子どもが多い
と自分のできていない点が目につきやすいです。
自分の授業と比較してしまうと、
あぁ、やっぱり自分は授業が下手なんだ
と感じやすくなります。
授業案が思い浮かばない時
授業準備の段階で、
どのように授業していいかアイデアが思いつかない
という日もあると思います。
とはいえ、授業案が思いつかないから授業しない、という訳にはいきませんよね。
なんとか授業するも、準備不足ですと中途半端な授業になってしまうでしょう。
授業案が思いつかない日が続くと、次第に
こんな先生でごめんね
と子どもに対して申し訳なさを感じやすくなります。嫌気がさして、辞めたいと思う気持ちが強くなるかもしれません。
同僚が褒められているとき
同僚が褒められているときも劣等感を感じやすいです。
自分は褒められたことないのに
なんで自分はできないんだ
このように感じると、仕事のモチベーションは下がってしまいます。
当然、授業案を考える気力が起きず、さらに授業がうまくいかない……といった悪循環にハマってしまうのです。
授業が下手で悩んでいる時に知っておきたい3つのこと
自分の授業力のなさに悩みすぎると、心が疲弊してしまう可能性があります。
ただ、そんな時でも忘れないで欲しいのが、「あなたにも出来ていることはある」ということです。
勤務時間外に体力もメンタルもギリギリの状態で、準備していると思います。
あなたの頑張りはきっと子どもや生徒に伝わっていますよ
辛い思いばかりに気持ちが向いているときは、少し距離をおいて、自分の現状を整理してみましょう。
ここでは、授業が下手で辞めたいと思った時に、知っておきたいことを紹介します。
最初から授業が上手にできる人はいない
はじめに確認しておきたいのは、「最初から授業が上手にできる人はいない」ということです。
どんなに授業が上手な先生であっても、過去にたくさん失敗してきています。
実際に私はベテラン教員に話を聞いてみたのですが、
協議会で何度もコテンパに言われたよ
授業はいつも失敗ばかりだよ。上手にできたと思ったことは一度もないね
といった回答をもらうことが多かったです。
「失敗なくして成功なし」と言われますが、これは本当だと思います
授業が上手くできない時こそ、どうやったら上手くできるか考えるからです。
むしろ「自分は授業が下手だ」と気づいていることだけでもすごいことです。気づかないことには授業力はアップしませんからね。
もちろん授業が下手な自分を受け入れるのは辛いですが、最初からできる人はいないと分かるだけでも、心がスッと軽くなりませんか。
授業の「上手・下手」の基準は人によって異なる
特にストレスを感じている時は、
なんで自分は授業が下手なんだろう
と嘆きたくなりますよね。
そんな時こそ、歳の近いの先生に相談してみるのも一つの手です。
実は自分の授業が下手すぎて悩んでいるですけど
え?そうなの?
悩んでいるようには見えなかったけど…
いつも授業準備がんばってて、スゴイと思ってた
特に授業の「下手・上手」の基準は人によって異なるものです。
他の人と話すなかで、自分のできている点に気づくのも現状を脱する方法です。
自分でハードルを上げていませんか?
子どもが全員〇〇できないとダメだ
子どもが〇〇できるようにしなければ
など、自分でハードルを高く設定していませんか。
当然、達成できないと、
自分はダメな人間だ
なんで教員になったんだろう
と自分を責めてしまう原因になってしまいます。
そんな時は、少しハードルをさげてみてください。
・時間内に授業が終わったらOK
・子どもが自分の考えを一言でも書ければOK
え?そんなに下げていいの?
と思うところまで下げると、目標を達成しやすくなって、仕事のモチベーションも上がりやすいです。
少しずつハードルを上げて、自分の授業力を磨いていきましょう。
「授業が下手で辞めたい」と思った時の対処法3つ
自分なりに頑張っていても、
授業が下手なままだ
と感じる場合もあります。
しかし、なぜ下手なままなのか考えてみると原因が見えてくるものです。
以下では、授業力が上がらない時の対処法を紹介しますので、参考にして実践してみてください。
スキルを磨こう
授業が上手にできない原因として、経験不足やスキルの低さが挙げられます。
経験は年数を重ねるしかありませんが、スキルに関しては自分次第でいくらでもアップできます。
じゃあ授業法を勉強しよう
そう思ったかもしれません。実際に筆者もそう思っていろんな本を読みあさりました。
でも、気づいたんです。方法ばかりにこだわっても上手くならないことに。
もちろん授業法の知識は大切ですが、よく考えてみると、授業は子ども・生徒と対話しながら一緒に作っていくものですよね。
研修で授業について学ぶ機会はあっても、コミュニケションそのものについて学ぶ機会はあまりないと思います。
もし、この機会にコミュニケーションについて勉強したい方は、下記におすすめの資格をまとめていますので、参考にしてください。
子ども・生徒目線で考えてみよう
授業を受ける側で考えてみると、改善点が見つかりやすいです。
授業準備する際に指導書をみると思います。指導書の内容を確認しつつ、
この発問をされたらどう考えるか?
この板書で学習内容を理解できるか?
この流れで授業した場合、意欲を持って学習できるか?
上記のように子ども・生徒目線で考えてみてください。
- 流れ
この授業で目指す子どもの姿は?
目指す姿にふさわしい流れか? - 発問
この伝え方で理解できるか?
意欲をもって学習できるか?
発問するタイミングは? - 板書
掲示物を貼る位置は?
書くこと・書かないことを決める - 時間配分
考える時間は短くないか?
どこで時間をまくか - 机間指導
どの順番で回るか?
誰を意識して見るか? - 自分のこと
話すスピードは適切か?
視線はどこを見ている?
無意識に発している言葉はないか?
子ども・生徒目線を鍛えられると、授業だけでなく、学級経営にも活かせて一石二鳥です。
不足点は一つずつ改善していこう
中には「自分ができていないな」と思う点が複数ある方もいるでしょう。
ただし、一度に全てやろうとすると、
あれもやらなきゃ
これもやらないと
このようにキャパオーバーになってしまう可能性があります。
不足点は焦らず1つずつ改善していきましょう。おすすめは月ごとに目標を1つ決めて取り組む方法です。
ロンドン大学で行われた研究によると、人が新しいことを習慣化するには、
簡単なこと:25日以上
難しいこと:50~60日
上記の日数が必要だと言われているからです。
1ヶ月ほど続けられると、意識しなくてもできるようになるでしょう。達成感も味わえて、仕事に対して前向きな気持ちで働きやすくなりますよ。
転職して環境を変える方法もある
あれこれ改善策を試してみたけど、それでも
授業が下手
と感じるのであれば、「転職する方法」を視野に入れてみましょう。
仕事は慣れや経験によってある程度はなんとかなるものですが、根本的に向いていない仕事も存在します。
例えば、同じ教員でも、
授業って楽しいですよね。子どものわかった時の表情って最高ですから
と感じながら仕事をしている人より、
教えるのはどうも苦手だな。いつも上手くいかないし
という人の方が「教員辞めたい」と感じやすいのは当然でしょう。
苦手なことを無理やり続けるよりも、自分らしく働ける仕事に転職する方が幸せではないでしょうか。
今の仕事が向いているのかどうか、よく考えてみましょう。
具体的な対処法を知りたい方は、下記にまとめていますので、タップしてご覧ください。
能力不足を感じたら仕事に向き合う姿勢とやり方を見直してみよう
今回は授業が下手で辞めたいと悩む方に向けて、対処法を解説しました。
授業がうまくできない状態ですと、教員として働く毎日は辛いですよね。
しかし、行動や考え方次第で現状を解決することは可能です。
まずは今回紹介した方法を実践してみましょう。
上記を試したけど、それでも「辞めたい」と思うようであれば、転職を視野に入れることをオススメします。
当サイトでは教員の転職についても紹介していますので、ぜひあなたの転職活動にお役立てください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました