【早見表あり】公立教員の退職金(自己都合)はいくら?元教員が解説

記事内にプロモーションを含む場合があります
教員退職金

こんにちは、元教員のミチです。

突然ですが、

教員を辞めたら退職金っていくらもらえるんだろう?

と悩んでいませんか。

退職金について知りたくても、お金のこととなると聞きにくいですよね。

聞ける場合でも、気づいたら事務室の先生が帰っている……というのが現状ではないでしょうか。

そこで今回は、経験談をもとに、教員の退職金制度についてまとめました

当記事を読むと、教員を辞めたらいくら退職金が受け取れるのか分かるので、安心して退職できるはずです。

※先に退職金がいくらか知りたい方はこちら↓

タップして読める目次

退職金を受け取れる人と受け取れない人

公立の学校に勤めている場合、教諭はもちろん、常勤講師も退職金が支給されます。

ただし、全員が退職金を受け取れるわけではありません。

以下の条件に当てはまる方は支給されないので注意してください。

・勤続期間6か月未満で退職する場合
・懲戒免職や失職した場合

では、いま自己都合で教員をら辞めたら退職金はいくらもらえるのでしょうか。

【一目でわかる】公立教員の退職金早見表

退職金の金額は、以下の要素によって大きく異なります

・勤めている自治体
・雇用形態
・勤続年数
・人事評価
・退職理由
・経歴

ただし、今すぐ退職金の金額を知りたい方もいると思います。そこで、一目で分かる早見表を作成しました。

早見表の条件は、以下の通り↓

・東京都の教諭
・自己都合退職
・大卒

退職金早見表

勤続年数退職金
1年10万5,450円
2年21万9,360円
3年34万1,733円
4年47万4,028円
5年61万3,949円
10年144万470円+調整額
2023年時点

上記の数字はあくまでも目安です。退職金から引かれるお金もあるので、そのまま口座に振り込まれるとは限りません

ここからは、自分の退職金がいくらか、具体的に知りたい方はに向けて計算方法を解説します。

公立教員の退職金の計算方法

実は退職金は自分で計算できます。

下記の計算方法があるからです。

退職手当額=退職時の給料月額×支給率+調整額

支給率?調整額?など、よくわからない言葉ばかりだと思うので、それぞれ解説していきます。

1:退職時の給料月額(全員)

1つ目は、退職時の給与月額です。

給与月額とは給料のことで、教職調整額を含んだ金額になります。

毎月明細をもらうので、おおよその金額は把握している人が多いでしょう。

ただし、退職金の計算に用いるのは「退職時」の給料月額です。

ミチ

給料は毎年上がるので、一年後に退職を考えている方は、「変わる」という点を覚えておいてくださいね!

前もって退職時の給料を知りたい方は、給与明細に載っているご自身の「級」と「号給」給料表があれば調べられます

詳しく知りたい方はタップしてください↓

級とは?

級とは、公務員の役職を表すものです。

1:講師など
2:教諭
3:主任教諭
4:主幹教諭・指導教諭
5:副校長
6:校長

給料明細に書かれているのでチェックしてみてください。

号給とは?

号給とは、「級」の中のレベルを表すものです。

簡単に説明しますと、「号給が上がる=昇給」となり、給料が上がります。

一般的に号給は1年ごとに4つずつ上がると言われているので、退職する年の号給も事前に調べられます。

まずは給料明細に乗っている今の号給を確認してみてくださいね。

退職する年の「級」と「号給」を給料表で月額を照らしわせてみてください。

参考として東京都教育委員会の給料表を載せておきます。

東京都教育委員会「教育職給料表」

大体で良いという方は、以下に東京都教育委員会の給料表をもとにまとめたので、参考にどうぞ↓

勤続年数給料(調整額込み)
1年20万9,976円
2年21万8,400円
3年22万6,824円
4年23万5,976円
5年24万4,504円
10年28万6,832円
大卒・教諭の場合(小中学校教育職)

2:支給率(全員)

支給率は勤続年数と退職理由によって異なります

比率はこちら↓

勤続年数自己都合退職定年・任期満了
1年0.50220.837
2年1.00441.674
3年1.50662.511
4年2.00883.348
5年2.5114.185
10年5.0228.37
20年19.669524.586875
25年28.039533.27075
30年34.735540.80375
35年39.757547.709
国家公務員退職手当支給率早見表
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/h300101_taishoku3.pdf

なぜ国家公務員の支給率なのか、気になったかもしれません。

実は地方公務員の退職手当は、国家公務員の制度などに従うことが法律で決まっているからです。

上記の比率は全国同じなので、あなたの退職時の給料月額に上記の比率を掛け合わせると、退職金がいくらか分かります。

ただし、勤続年数は個人の都合によって変わるので注意してください。

特に講師経験のある方と休職した方(している方)は、下記をチェックしておくと安心です。

講師経験のある方

講師経験のみの方は1年ごとの契約なので、どれだけ働いても退職金の勤続年数は1年です。

また、講師から教諭になった方は、講師として勤めた期間も通算される場合があります。

通算される場合は次の2つの条件に当てはまる方です。

・講師退職時に退職手当を受け取っていない
・講師からそのまま正規採用された

例えば、3月31日まで講師をしていて、4月1日から正規採用された場合は、講師をした年数も通算されます。

ただし、12月31日まで講師として勤めた後、4月1日から正規採用された場合など、間が空いている場合は通算されません。

簡単にお伝えしますと、1日にも空けずに働いた場合は通算される、ということです。

休職した(している)方

休職期間は勤務年数から除算されます。

徐算される期間はこちら↓

休職の種類徐算期間
病気休職二分の一
育休三分の一
自己啓発等休業全期間

例えば、8ヶ月間病休を取得した場合。8ヶ月の二分の一が徐算されるので、在職期間から4ヶ月引かれるイメージです。

端数月(小数点)が生じた場合は、切り捨てで計算されます。

3:調整額(勤続10年以上の方のみ)

最後は調整額です。

退職手当の調整額とは、調整月額のうち、その額が多いものから60月分の額を合計した金額のこと。

ややこしいことは置いといて、「役職や勤続年数に応じて退職金を加算しますよ」ということです。

調整額は全国同じですが、区分や該当職員は自治体ごとに変わります

詳しくは自治体の退職手引きなどを見てくださいね。

おおよそのイメージは下記にまとめたので、参考にどうぞ↓

区分金額対象者
第3号区分5万4,150円校長
第4号区分4万3,350円校長・教頭
第5号区分3万2,500円教頭・教諭
(大卒•勤続35年以上)
第6号区分2万7,100円教諭
(大卒•勤続26年以上35年未満)
第7号区分2万1,700円教諭
(大卒•勤続10年以上26年未満)
第8号区分0上記以外の人

例えば、第7号区分に属している場合。21,700×60月=130万2,000円がプラスされます。

ただし、下記に当てはまる方は調整額が二分の一に減額されるので注意してください。

・自己都合退職(勤続年数10年以上24年以下)
・自己都合退職以外(勤続年数4年以下)

教員の退職金から引かれるもの3つ

退職金から引かれるものもあるので、紹介します。

退職金にかかる税金

退職金にかかる税金は、主に所得税と住民税です。

税金がかかる方は、下記の計算式が退職金を超えた場合です。

勤続20年未満:40万円×勤続年数
勤続20年以上:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

勤続20年以下で自己都合退職する場合は、ほとんど超えないので、かからないと思っていてOKです。

勤続20年以下の計算例はこちら

例えば、3年勤めて自己都合退職する場合。

上記の計算式に当てはめると、40万円×3=120万円になります。

3年勤めた場合の退職金は、早見表を参考にするとおおよそ34万1733円です。

「120万円>34万1733円」となり、退職金が120万円を超えないので税金はかかりません

ミチ

筆者も4年目で退職しましたが、かかりませんでした

前年度の収入に課されている税金

前年度の収入に課されている税金とは、一括徴収される住民税のことです。

毎月の給料から引かれていると思いますが、退職すると支払いできなくなるので、退職金から引かれます

例えば、3月退職の場合は、4月・5月分の住民税が退職金から一括徴収されます。

ミチ

私も3月退職だったので、引かれていました

退職金がそのまま口座に振り込まれるわけではないので、注意してください。

貸付返済金

共済組合や互助会の貸付を受けている方のみ、退職金から引かれます。

教員が退職金以外に受け取れるお金

退職金以外に受け取れるお金は次のとおりです。

教職員互助会の退会給付金

互助組合加入者は、退職給付金を受け取れます

退職給付金とは、以下のような掛金の払い戻しです。

・掛金積立金
・特別弔慰金掛金(加入者のみ)
・火災見舞金積立金(加入者のみ)

いくらか戻ってくるかは、退会するまでの掛金総額と計算式に応じて変わります

例えば、掛金積立金が総額の55%戻ってくる場合。掛金総額が7万だとすると55%の「3万8500円」返ってくるイメージです。

申請方法は退会給付金請求書を互助会に提出するだけ。期日までに提出を済ませると、翌々月までに振り込まれます。

ミチ

筆者は事務室から書類をもらって記入しました

詳しく知りたい方は、勤めている自治体のHPや互助会の要綱をで確認してくださいね。

教職員共済の退職見舞金

教職員共済に加入している、かつ契約期間が1年以上ある方は、退職見舞金が支払われます。

自分が所属している事業所に連絡すると必要な書類を送ってもらえるので、あとは記入して返送するだけです。

いくら受け取れるかは、契約期間に応じて異なるので、下記の表を参考にして計算してみてください。

契約期間退職見舞金
1年以上掛金払込月数×80円
2年以上掛金払込月数×160円
3年以上掛金払込月数×240円
4年以上掛金払込月数×320円
5年以上掛金払込月数×400円
教職員共済
https://www.kyousyokuin.or.jp/products/general/detail.html

ご存知ですか?教員の退職金が減っていることを…

ここまで教員の退職金をご紹介してきましたが、実はここ10年で教員の退職金が減っていることはご存知でしょうか。

25年以上勤続後の定年退職等(教育職)

平成23年2756万9千円
平成24年2717万2千円
平成25年2676万8千円
平成26年2508万1千円
平成27年2386万6千円
平成28年2349万4千円
平成29年2346万2千円
平成30年2269万8千円
平成31年2262万円
令和2年2260万円
総務省「地方公務員給与の実態実態調査結果」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/kyuuyo/kyuuyo_jc.html

総務省の調査によると、教師の退職金は平成23年2756万円でしたが、令和2年は2260万円約500万円減少していることがわかります。

いや、自分は早期退職だし関係ないでしょ!

と思った方。実は早期退職する場合も同じで、減っているんです。

なぜなら、平均給与が減っているからです。

平均月額給与(教育職)

平成23年37万1303円
平成24年36万8725円
平成25年36万7031円
平成26年36万7201円
平成27年36万5146円
平成28年36万2806円
平成29年35万9806円
平成30年35万7441円
平成31年35万5362円
令和2年35万3398円
総務省「地方公務員給与の実態実態調査結果」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/kyuuyo/kyuuyo_jc.html

もらうお金は減っていくのに対し、物価上昇で出ていくお金は容赦なく増えているのです。

教員を退職するとなると、さらに不安になりますよね。

筆者も例外でなく、「老後大丈夫かな?」と漠然とした不安がありました。

お金の不安に備える方法

退職金が減っているとはいえ、具体的に何をどうすればお金の不安に備えられるのでしょうか?

きっと多くの方が思いつくのが「節約」だと思います。筆者も最初に思いついたのが「節約」でした。

ミチ

節約はあまり得意じゃないんだけどな……

と思いつつも挑戦してみることに。しかし、長くは続きませんでした。

食費や娯楽費をいきなり削るのはきつかったです。食べたいものを食べたいですし、欲しいものも買いたいですよね。

そこで次に試したのが「辛くない固定費の見直し」でした。これがうまくいって、毎月の出費をおさえることにつながりました。

ド○モから楽天モバイルに変えたのですが、それだけでも月2,000円、年2万4千円の出費を抑えることに成功。

一番変化があったのは保険の見直しでした。保険の見直し相談をして、いかに必要のない保険に入っていたか気付かされたのです。

特に教員の場合は、ジブラルタ生命に加入している方が多いと思います。

必要以上に保険をかけすぎていたり、保障内容が重複していたり……

保険はマイホームの次に大きな買い物と言われていますから、見直しすると年30万円ほど支出を減らせるかもしれません。

教員を退職する場合、年収や待遇なども変化すると思います。

よくわからずに保険を契約してしまったな

自分にあった保険をかけられているのかな?
保険料を払いすぎてないかな?

と思った先生は、ぜひこの機会に保険の見直しからスタートされることをおすすめします。

ミチ

保険料は毎月払うものなので、早く見直しすればするほど、大切なお金を守ることにもつながります

「保険の見直しってどうやればいいの?」

「退職後の保険ってどうなるの?」

とお悩みの先生は、下記に詳しくまとめていますので、タップしてご覧ください。

自分の退職金を把握して早めに将来に備えよう

今回は、教員の退職金について解説しました。

教員の退職金早見表

勤続年数退職金
1年10万5,450円
2年21万9,360円
3年34万1,733円
4年47万4,028円
5年61万3,949円
10年144万470円+調整額

金額を詳しく知りたい方は、ご自身の給料明細を見ながら以下の計算式に当てはめてみてください。

退職手当額=退職時の給料月額×支給率(+調整額)

ただし、教員は退職金を受け取れるといっても、もらえる金額には限界があります。まして退職金は減っているのです。

退職後も安心して生活するためには、今のうちから将来に備えておきましょう。

何をすればいいの?とお悩みの先生は、まずは保険の見直しからスタートされることをおすすめします。

保険は他の節約と違って何かを我慢するものではありません。節約が苦手な先生でも可能です。

詳しくはこちら↓

将来のために大切なお金を守っておきたい方は、早めに見直しておきましょう。

ミチ

最後までお読みいただき、ありがとうございました

タップして読める目次