教員の退職で引き止められないためには?解決策は事前準備にあり
こんにちは、元教員のミチです。
教員を退職する時に引き止められないかな?
もし引き止められたらどうしよう……
と不安になっていませんか。
自己都合の退職となると、引き止められるか不安になる方は多いです。
勇気を出して伝えたは良いけれど、引き止められてズルズル悩みながら働き続けるのは避けたいですよね。
そこで今回は、次の2点についてまとめました。
- 退職で引き止められないための対策
- 引き止められた場合の対策
これから退職を考えている方は、じっくり読み込んでいただいて、円満退職のヒントにしてください。
教員の退職を引き止められる理由3つ
教員を含めた労働者には「職業選択の自由」や「奴隷的拘束の禁止」が認められています。
教員を退職するのは自由なはずです。
しかし、なぜ退職を引き止められるのでしょうか。
理由としては、以下3つの「デメリット」が挙げられます。
教育委員会にデメリットがある
1つ目の理由は、教育委員会の都合です。
あなたが退職してしまうと、新しい教員を探す手間が増えます。
特に教員は成り手不足なので、新しい人材を見つけるために時間もコストもかかってしまうのです。
また、教員の育成にコストがかかっている点も引き止める理由の1つです。初任研などの研修を受けてきたと思います。
私たち教員は無料で研修を受けられますが、教育委員会側は研修会場を借りたり、講師を雇ったりしているので費用がそれなりにかかっています。
あなたを一人前の教員として育てるために費用をかけてきたのに、「ここで辞められるのは惜しい」ということです。
管理職に退職を引き止められるのは、
・教員や講師採用の手間が増える
・教員の育成にコストがかかっている
といった教育委員会側の理由が少なからず関係していると言えます。
管理職にデメリットがある
引き止める理由は教育委員会だけでなく、管理職のデメリットも考えられます。
あなたが退職すると、
・代替教員の配置や連絡
・新年度の人員配置について再検討・交渉
といった負担は避けられません。
校長が新年度の人員配置について考え始めていた場合、再検討したり、他の先生に交渉したりする必要も出てくるでしょう。
よっぽどのことがない限り、管理職はあなたに
教員として長く活躍してほしい
と考えているはずです。
管理職側の都合から退職を引き止められる可能性もあるでしょう。
あなたにデメリットがある
管理職が「ここで辞めるのはあなたにデメリットがある」と考えて、引き止めるケースも考えられます。
管理職があなたの未来に期待している場合もあるでしょう。
あるいはあなた自身が教員経験が浅いゆえ、
自分は教員に向いていない
と思い込んでいるだけかもしれません。
もちろん本当にデメリットがあるかどうかは分かりませんが、自分がどうしたいか、本心に向き合って決断する必要があります。
教員が退職を引き止められるパターン4つ
では、具体的にどのように退職を引き止められるのでしょうか。
ここでは教員が退職を引き止められるパターンを4つ紹介します。
事前に目を通しておくと対策しやすいです。自分がどうしたいか気づくきっかけにもなるでしょう。
改善の交渉をされる
労働環境の不満から退職したい場合は、改善の交渉をされて引き止められる可能性が高いです。
・人間関係に悩んでいる
・長時間労働に疲れてしまった
・仕事量が多すぎてこなせない
といった本音を伝えてしまうと、
来学期から〇〇してみるのはどうですか?
来年度は〇〇して改善しましょう!
このように改善案を出されるでしょう。
実際に改善案を出されると「おッ!」と思うかもしれません。
しかし、重要なのはあなたの悩みが解決する改善策かどうかです。
どのように伝えるべきかについては、下記で解説していますので、参考にしてください。
良心に訴えかけられる
子どもたちが寂しく思うでしょうね
〇〇先生がいないと困ります……
といった、良心に訴えかけて引き止めるケースもあります。
しかし、教育委員会や管理職のデメリットから引き止められている可能性もあります。
上記のように言われた場合は、「なぜ引き止めるのか?」を慎重に判断すべきでしょう。
不安にさせられる
せっかく教員になったのですから、ここで辞めるのはもったいないですよ
教員を辞めても他で通用しないんじゃないですか?
と、不安を誘導するケースも考えられます。
管理職は転職・退職ともに経験がないはずです。
やってもないことや将来のことをあれこれ言うのは簡単ですが、本当にそうなのかはやってみないことには分かりません。
期間を指定される
あと1年がんばってからでも遅くないですよ
せめて3年は働かないと
上記にように、期間を指定されるケースもあります。
「とりあえず3年」という言葉があるように、働く年数が長くなると、コツがわかって効率的に働けるようになるのも事実です。
とはいえ、「辞めたい」と思いながら働き続けるのはきついですよね。
仕事のモチベーションは上がりませんし、最悪の場合は体調を崩す可能性もあります。
周りの目や価値観よりも、あなたの気持ちを最優先に考えましょう。
教員の退職を引き止められないため対策3つ
どうやったら引き止めを回避できるんだろう?
迷惑を最小限に抑えてる方法はないかな?
ここでは、引き止めを防ぐ方法を紹介しますので、参考にしてください。
退職を伝えるタイミングに気をつけよう
引き止めを防ぐためには、退職意向を伝えるタイミングが重要です。
実は退職したい旨を伝えるタイミングには決まりがあります。
・地方公務員の場合:自治体の規則
・私学教員の場合:勤務校の雇用契約
規則を過ぎて伝えるのはもちろん、規則ギリギリに伝えてしまうのも引き止めを招く原因になってしまいます。
スムーズに退職するためには、事前に「いつまでに伝えなければいけないか?」について自治体のサイトや雇用契約を調べておきましょう。
もちろん中には決まりがない自治体もあります。
もし決まりがない場合は、手続きや引き継ぎのことを考えると遅くとも退職希望日1ヶ月前には伝えておくのがベストです。
伝える時期や伝え方についてはこちら↓
教員では実現できない退職理由を述べる
タイミングと同時に退職理由の伝え方も重要です。
退職理由は人それぞれですが、伝える際は「教員では実現できない理由」に変えましょう。
なぜ変える必要があるのか?については、管理職の立場で考えるとわかりやすいです。
保護者対応に疲れてしまったので辞めます
教員の経験を活かして教材開発の仕事に携わりたいと考えたので、3月末で退職させていただきます
1つ目の退職理由よりも、2つ目の方が納得できると思います。
特に不満を述べてしまうと、マイナスに感じますし、改善の交渉をされてしまうでしょう。
しかし、教材開発の仕事は教員では実現できません。
実現するためには「辞める」という手段しかないため、納得しやすいのです。
思いつかない
という方は、退職理由をポジティブに変えてみましょう。
本当の退職理由はネガティブであってもOKですが、「〇〇したいので辞めます」などポジティブに言い換えるだけでも印象が変わります。
詳しく知りたい方は、以下にまとめていますので、ご覧ください。
退職時期は学校側の都合も考えておこう
3月末の退職を考えている場合は、そこまで気にする必要はありませんが……
年度途中で退職する場合は、退職時期には注意が必要です。
・成績付けの時期
・行事がある時期
・研究会や研修がある時期
上記のような繁忙期は避けた方が無難です。
迷惑を最小限に抑えるためにも、退職時期は見極めましょう。
退職を引き止められたらどうする?
前述した対策をすると引き止められる確率は低くなりますが、100%回避できるとは限りません。
もし、引き止められてしまったらどうすればいいのでしょうか?
ここでは、引き止められた場合の対処法2つを紹介します。
引き止められた理由を考えて再度、強い意志を伝える
まずはなぜ引き止められたのか、原因を考えてみましょう。
同じ伝え方では、また引き止めれる可能性があります。
例えば、改善案を出されてしまった場合。
・不満だけを述べていないか?
・伝えるタイミングは適切だったか?
・自分の中で「退職」に対する迷いがないか?
など自分が述べた内容や伝えたタイミングを振り返ってみると、見えてくるはずです。
原因を改善して、再度「教員辞める」という強い意思を伝えると、引き止めは回避できるでしょう。
退職代行を使う方法もある
どうしても引き止められて進まない……
という場合は、退職代行を使う方法もあります。
退職代行は退職の交渉や手続きを代行してもらえるサービスです。
管理職とのやり取りや事務手続きなど退職に必要な作業を全てプロにしてもらえるので、あなたは教員の仕事だけに集中できます。
ただし、退職代行サービスの中には公務員の退職は対応していないものもあります。
特に民間企業が運営する退職代行サービスは「対象外」になっているケースが多いです。
そのため、弁護士法人みやびなど弁護士が運営するサービスの利用をおすすめします。
円満退職のコツは事前準備にあり!
今回は、教員の退職を引き止められる理由や対策を紹介しました。
清々しい気持ちで次のステップに進むためには、退職を伝えるタイミングと退職理由を事前に考える必要があります。
教員の退職で引き止められないためには、「いつ・どのように伝えるか」がポイントです。
円満退職に向けて、退職を伝える前にしっかり準備しておきましょう。
下記で教員の辞め方について解説していますので、事前に目を通しておくとより安心して退職できるはずです。参考にしてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました